ページの先頭です。

陶子のブログ

恋愛が苦しいのは、愛し方が下手だからじゃない。

どうして私は、こんなに恋愛で苦しくなるんだろう。
好きな人がいる。
本当は、その人と一緒にいるだけで幸せなはずなのに。
連絡が少し遅れただけで不安になったり、嫌われたのではないかと何度も考えてしまったり。
大切にされていないと分かっているのに、離れることができなかったり。
誰かを好きになるたびに、なぜか苦しくなってしまう。

そんなふうに、自分を責めてしまったことはありませんか。

でも、もしあなたが今、恋愛で苦しんでいるのなら。
まずは、自分を責めるのを少しやめてみてほしいと思っています。

私がこれまで様々なお話を聞いてきて、何度も感じてきたことがあります。
人の恋愛には、その人がこれまで生きてきた時間が、思っている以上に深く関係しているということです。

好きな人への執着。
離れたくても離れられない気持ち。
相手に必要とされると安心する感覚。
逆に、近づかれると怖くなって距離を取ってしまうこと。
恋愛になると急に不安定になってしまうこと。

一見すると「恋愛の問題」に見えるものの中に、その人がこれまで抱えてきた寂しさや不安、愛されたかった気持ちが隠れていることがあります。

私がこうしたことを強く感じるようになったのには、少し理由があります。

昔、私はある場所で、複雑な家庭環境の中で育った子どもや若者たちと関わっていました。
そこは、傷ついた彼らが安心して身を寄せられる、避難所のような場所でした。

幼い頃には誰にも話せなかったことや言葉にできない寂しさ。
「愛されたい」と言うことも、求めることさえできなかった気持ち。
そうしたものを抱えたまま成長し、恋愛や人間関係の中で苦しんでいる人たちです。

私自身も、彼らと重なる部分のある過去を持っていました。
だから、他人事には思えなかったのです。


たとえば、恋愛の中で強く相手を求めてしまう人がいます。

連絡が途切れると耐えられない。
誰かと一緒にいないと落ち着かない。
何度愛されても、なぜか安心できない。
身体を重ねることによって、強くつながっている感覚を求めてしまう。

周囲から見れば、「寂しいから」「恋愛に依存しているから」と思われるかもしれません。

でも、その人自身の話をゆっくり聞いていくと、
「ただ寂しいだけではないんだな」と思うことがあります。

本当に欲しかったのは、もしかすると、その人自身ではなく、
「私は必要とされている」
「私はここにいていい」
「私は愛されてもいい」
そう思える安心だったのかもしれません。

誰かと触れ合っている時間だけは、何も考えなくていい。
誰にも否定されない。誰にも評価されない。ただ温かさを感じていられる。
それが、その人にとって心が休まる時間になっていることもあります。

だから、頭では「こんな関係はよくない」と分かっていても、簡単には離れられない。
求められることで安心できるからです。
そして、その安心がなくなると、自分自身の価値までなくなったように感じてしまうことがあります。

もちろん、すべての恋愛の問題が過去の家庭環境から来ているわけではありません。
性格も、その時の状況も、相手との関係も、人それぞれです。
ただ、何度相手を変えても同じところで苦しくなる。
頭では分かっているのに、どうしても繰り返してしまう。

そんなときは、今起きていることだけではなく、
「私はなぜ、ここまで不安になるんだろう」
「なぜ、これほど相手に求めてしまうんだろう」
と、自分の心を少しだけ振り返ってみてほしいのです。

そして、これはご本人だけの問題ではありません。
パートナー側も、たくさん傷ついています。

「自分はこんなに愛しているのに、どうして伝わらないんだろう」
「自分に魅力がないからなのかな」
「どれだけ頑張っても相手を安心させられない」
そんなふうに、自分を責め続けてしまう方もいます。

でも、相手が抱えている不安のすべてを、あなたの愛情で埋める必要はありません。
あなたの愛が足りないから、相手が満たされないとは限りません。

恋愛の中で起きることは、とても複雑です。
「好きだから」
「嫌われたくないから」
「寂しいから」
それだけでは説明できないことが、たくさんあります。

だから私は、目の前の行動だけを見て、その人を決めつけたくありません。

その人が何をしているかだけではなく、
「どうして、そうせずにはいられないのか」

そこにも、その人を理解するための大切なものがあると思うからです。

もし今、恋愛のことで苦しんでいるなら。
「こんなこと、誰にも言えない」
「こんな自分はおかしいと思われそう」
「話したら引かれてしまうかもしれない」
そんな心配は、しなくて大丈夫です。

恋愛のことだけではなく、自分でも整理できていない気持ち。
誰にも言えなかったこと。
ちょっと人には話しづらいこと。
そんな話の中にこそ、本当の気持ちが隠れていることがあります。


私も昔は、自暴自棄になって、毎回ギリギリの橋を渡っているような時期がありました。
今振り返ると、「よくあんなことをしていたな」と思うことばかりです(笑)。

周りから何を言われても聞けない。
自分でも「やめたほうがいい」と分かっているのに、やめられない。
私の場合は、どん底まで行かなければ、自分から引き返すことができませんでした。

だからこそ、今になって思います。
人は、頭で正しいことを分かっているだけでは、簡単に変われないことがあるんですよね。
そのとき本人には本人なりの理由があって、その時の自分を守るために、そうするしかなかったこともある。
私自身が身をもって経験してきたからこそ、誰かの話を聞くときも、「どうしてそんなことをするの?」というところから始めたくありません。

「そこまでしなければならなかったのは、何があったんだろう」
そんなふうに、その人の側に立って考えることを大切にしています。

だから、恋愛についての悩みも、人には言いにくいことも、あまり構えずに話してもらえたらと思っています。

人って、そんなに綺麗な部分だけで生きているものではありません。
迷ったり、間違えたり。誰かに依存してしまったり。どうしても離れられなかったり。
自分でも「なぜこんなことをしてしまうんだろう」と思ったり。
それでも、愛されたい。
私は、そんな部分も含めて、その人なのだと思っています。

今のあなたに必要なのは、
「もっと強くならなきゃ」「もっと相手を理解しなきゃ」と頑張ることではなく、
「自分は本当は何を求めているんだろう」
と、自分の心を少しだけ見てあげることなのかもしれません。

そして、どんな自分であっても、
穏やかに愛されること。安心できる関係を築くこと。自分らしく誰かを愛すること。

それは、決して特別な人だけに与えられるものではありません。
過去にどんなことがあっても。何度恋愛でつまずいても。
自分でも嫌になるようなことをしてしまったとしても。
あなたには、あなたらしい幸せを見つけていくことができます。

今まで言えなかったことも、人には話しにくかったこと、自分でもうまく説明できないことも
ここでは、無理に綺麗な言葉にしなくて大丈夫です。

一緒に少しずつ紐解いていけたらと思っています。