陶子のブログ
(後編)「私はどうすればいいの?」〜AIが引き出した妻の姿と新たな始まり
彼女の引きこもりから三日後。
これまで長年動かなかった夫婦の関係に、信じられないような展開が待っていました。
彼女が号泣しながら、
「私は自分の生き方が間違っていたっていうの?!」
「私にはもう何もない!自分の今まで信じてきたものが全て壊れた」
と部屋から突然飛び出てきてぶつけてきたと。
そんな言葉もその姿も長年の結婚生活で初めてだったそうです。
でも何をきっかけにそう思ったのかは言わないまま、
その感情だけを爆発させながらぶつけてくる日々が暫く続きました。
でも明らかに今までと違うのは
奥様はいつも「相手」に感情が向けられていたけど
今回は初めて「自分」に激しい感情を向けている点。
これは初めてなのではないか、と友人に質問したら、まるで初めてだと。
このままの状態を暫く注視できる余裕が彼にもあることを確認し、様子見となりました。
「ようやく全ての感情を吐き出し切った模様で今まで見たことないもぬけの殻になっている」
と連絡がきました。
そこからやっと少しずつ会話へと移行していったところ、
初めて、長年の結婚生活の中で聞けなかったことまで少しずつ話せるようになったんです。
彼曰く「今、この瞬間話し合えていること」自体が奇跡そのものだったそうです。
さらに彼が、今まで言えなかった子ども達の抱える葛藤を話した時も、
その日は最後まで「初めて」人の話を彼女が聞けている。
そして、
「じゃあ、私はこれからどうすればいいの?」と言ったそうです。
!?
どうすればいい?って今言ったよね?!幻じゃないよね!?と思ったと(笑)
そんな言葉を、この人は発せられるんだ、とも。
そして今友人は
「こうして話し合えて嬉しい」
「やっぱり話し合うって大事だね」
という言葉を、意識して毎日会話中、会話の終わりにも取り入れ続けている最中です。
「話したら、こんなに穏やかになった」
「話を聞く、話合いをするって大事なことなんだ」
この体験を日々奥様が感じられるよう、積み重ねていけること。
これが今の二人の段階です。
その上でもし温かい関係を本当に築く事ができたとしたら。
もしかしたら彼女自身人知れず抱えてきたかもしれない何かしらの思いがあったとしたなら。
共有しあえた日には全く違う絆が生まれる可能性もあります。
そして、もう一つ。
彼の奥さんは、引きこもった三日の間部屋から出てくるまで何をしていたかというと
「なぜ旦那は大事なことを話してくれないの?」という質問から始まり、
AIとずっと会話していたと打ち明けてきたそうです。
数日間、目の前の夫ではなくAIと話し続けた。
そのやり取りから何がきっかけになったのかどうしても知りたくて
何とか履歴をこっそり見た彼は、かなりの衝撃を受けたそうです😱
感情が次々に飛び出し、話が飛び、怒りが出て、また別の話になり、AIが都度寄り添っても、
「そうじゃない!その答えじゃない!」とぶつけ、AIを罵る恐ろしい言葉の羅列が・・・
そして、何度も何度もやり取りした末に、結局また最初の、
「なぜ旦那は大事なことを話してくれないのか」に戻っている。
最後までは見れなかったけど、おそらく何を聞いても自分の意向通りの答えが
いくら打っても出てこない挙句、
何かトリガになる言葉をきっかけに自我が崩壊したのか
制限がかかって爆発したのではないかと・・
きっとそうだろうと私も思いました。。
「自分は何を求めているのか」
「本当は何を怖がっているのか」
そこを本人が整理できていなければ、どれだけ言葉を返されても、
答えには辿り着けないことがあります。
そして何より、人間同士の関係には、
「話している相手の表情を見る」
「声の変化を感じる」
「言葉にならない沈黙を共有する」
「さっきまで怒っていた人が、少しずつ落ち着いていく」
そんな、言葉だけではないものがあります。
答えより前に、
「私はどう感じているんだろう」
「私は何を求めているんだろう」
「私は何が怖いんだろう」
と、自分自身に戻っていく時間が必要なことがある。
その過程を辿るのにAIの存在は今回物凄く貢献したと感じました。
強い人ほど悩みがないように見えても決してそうではありません。
あれだけ逆境を乗り越えて、類まれな自分と向き合うスキルがある人は、
自分の思考と論理的な組み立てを何度も組み換え、何とかすることが当然だと思っている。
だから、今まで友人は私に「大丈夫」と言ってきたと感じました。
まだ大丈夫だから言わないのではなく、
自分で何とかするつもりだし、できてきたから、「大丈夫」と言ってきたのだなと。
今回の長年の問題の突破口は
「夫はなぜ大事なことを話してくれないのか」という奥さんのAIへの問いから始まりました。
「私は間違っていない」というところから動けなかった人が、
ある時初めて、「私はこれからどうすればいいの?」と尋ねた。
彼もまた全て諦めていた場所から、
初めて自分の思っていたことを話せる一歩を踏み出せた。
夫婦でも、恋人でも、親子でも本当に大切なことほど、
安心できる関係の中でなければ出てきません。
パートナーが大事なことを話してくれないと悩む時、
誰もがつい「なぜ話してくれないの?」と相手に答えを求めてしまいます。
ですが本当に見つめるべきは、相手を変えようとすることではなく、
自分自身の心のあり方なのかもしれません。
「ここでは何を話しても大丈夫」と思える安心感を育てていくこと。
本当に大切なことほど、その温かい関係性の中でしか出てこないのではないかと感じます。
どうすれば、この人が本当のことを話せる関係になれるのだろうか。
時には相手を受け入れるべく余白を持つことが
本当のパートナーシップの始まりになることもあるのだと。
そんな事を私自身心から考えさせられた経験でした。
この記事を読んでくださった方の日常にも、
大切な人と心を通わせられるあたたかな日々で満たされることを
心から願っております😌
(※以上の内容は本人に許可を得てupしております)
