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山田ゴメスのブログ

初デートのお店

まだぼくが若かりし未熟だったころ、こんなことがありました。

とある女性との初デート。当時、ぼくはまだ40代前半で、たしか相手はアラサーあたりだったと記憶する…。
待ち合わせは池袋の西口。急に決まった初デートだったので、ぼくはその日お店を決めるヒマもなく、ノープランのまま、行きつけだった立ち飲み系のやきとん屋へ、彼女を連れて入りました。

そのやきとん屋は小汚くて、繁盛店ゆえ店内は騒がしかったりもするのだけれど……とても良心的な料金で、そのわりには味もしっかりとした丁寧な料理を食わせてくれる…気安い、ぼくが(今でも)大好きなお店でした。

もちろん、お金をケチる気なんぞさらさらなく、

「自分が美味しいと何度も
リピートしているやきとんや
モツ煮込みやレバーのたたきを
彼女にも食べてもらいたい」

…という単純でピュアな動機しか、ぼくにはありませんでした。もしかすると

「あえて定番のデートコースを外し、
穴場的な大衆店でアダルトな
サプライズと余裕を演出する」

…程度の野心はあったのかもしれません。

しかし、そんなぼくの独りよがりな目算はモノの見事に打ち砕かれ、彼女のご機嫌は右肩下がりにナナメっていくいっぽう…。トドメには、

「ああいうお店も嫌いじゃないけど、
初デートだからせっかく
オシャレしてきたのに…」

…と、涙目で捨て台詞を残し、彼女は去っていったのです。それ以降、彼女とは一度も連絡を取れていません。

さて。皆さんは、この彼女がいわゆる「性格が悪い女性」だと思いますか? 

いやいや! 「せっかくの初デート」に向けて、それなりの前準備をしてくれた女性の“好意”を無神経にも踏みにじったぼくがすべて悪いのです!! 

なにが「サプライズ」だ!? なにが「アダルトな余裕」だ!? むしろ、別れ間際に「デリケイトな乙女心」をきちんとレクチャーしてくれた彼女は「誠実で親切な女性」なのではないか?

ここまで語ったぼくの例は、「無神経」だっただけでまだマシ(?)ですが、こうした一連のトリッキーなパターンを、

「女性の性格の見極め」

…に利用するのは、男性側の緩慢と傲慢以外の何物でもないのではないでしょうか。

その手のジャッジは、3回目や4回目のデートでも決して遅くはないのですから…。